あらすじ
年の瀬、近くに出たアビスを片付けて帰る途中の主人公、沖田総司、アマテラス、ツクヨミ、リトリーの前に、言葉を話す兎が現れる。兎は自分を神だと名乗り、小さな祠に祀られた道祖神のような存在だとみられる。兎神は一行に兎を操る力を与え、領主である主人公に新年を祝う祭りを開くよう迫る。祭りの準備が進むなか、総司は舞を奉納する「うさぎの巫女」に選ばれてしまう。兎神のほうは、祭りに向けて活気づく街の様子を眺めている。
ストーリー
第1話
アビス退治の帰り道、沖田総司が妙な気配を感じ、木の根元に兎を見つける。兎は人の言葉を話して神を名乗り、姿を変えてみせる。アマテラスはかすかな神気を感じ取り、ツクヨミは近くの祠と兎の形の御神体から、旅の安全や厄除けを担う道祖神のような存在だろうと見立てる。
兎神は、この辺りを任されている主人公に、新年を祝う祭りを開く予定があるか尋ねる。予定が無いと聞くと、力を貸すから祭りを開けと言い出す。兎神は光で一行を包んで女性たちの衣装を変え、兎を呼び寄せて従者の姿に変える力を授ける。衣装を変えた理由を問われると、兎神は「可愛かろう?」と答えるだけである。しかし、兎たちは以前の謝礼の件などで文句を言い、兎神の言うことを聞かない。結局、一行は自分たちで兎と交渉することになる。
第2話
ツクヨミの交渉で兎たちの協力は得られる。それでも主人公は、街の行事を簡単には決められないとためらう。兎神は、この地の人々が新しい年を明るい気持ちで過ごすきっかけになれば内容はささやかでいいと説く。アマテラスの後押しもあり、主人公は祭りの開催を決める。兎神はさらに舞の奉納を望み、身のこなしを見込んで総司を「うさぎの巫女」に指名する。
街では、少女とその母親が祭りの話を喜ぶ。母親によれば、少女の祖母は祭り好きで、昔の祭りの思い出をよく語っていたという。城での協力者も多く、祭りの規模は当初の予定より大きくなっていく。総司は病弱を理由に舞を断ろうとするが、そこへ爆発音が響く。
爆発を起こしたのは朱雀で、玄武や白虎らと広場で出し物をしようとしていた。登場の演出用の火薬の量を間違えたのだという。朱雀は逃げようとしてツクヨミにお仕置きされるが、主人公は今後気をつけることを条件に許す。兎神の提案で、朱雀たちはヒーローショーを出し物として行うことになる。主人公が総司の舞を楽しみにしていると伝えると、総司も少しずつその気になっていく。会場の確保は、街の人々との打ち合わせを済ませたスサノオがアマテラスとともに引き受ける。
第3話
祭りの前日、ツクヨミは不満を口にしながらも、設営を積極的に取り仕切る。そこへココペリ、コノハナサクヤヒメ、ニライカナイが、避難路になる道に肉料理の屋台を出そうとする。ジャンヌによれば、年末に急に決まった祭りのため、城の蓄えを一部開放しても食料には限りがある。ツクヨミは食べ物の屋台が少ないことを前から気にしており、その場で森へ狩りに出ることを決める。
狩りの途中、ヤマトタケルの冗談どおりにアビスと出くわし、一行はこれを退ける。ツクヨミは、アビスの近くの水辺に集まっていた獣や魚を大量に持ち帰り、山菜の採れる場所も見つける。ココペリたちには屋台を増やす代わりに手伝いを命じる。総司は、舞の練習が人に見せられる程度にはなったと報告する。
総司が兎神を探して街へ出ると、少女とその祖母がいる。祖母は体調がすぐれず、母親に無理をしないよう言われている。兎神は街の様子を眺めており、祭りはきっと素晴らしいものになる、もう思い残すことはないと口にする。リトリーにその意味を問われても、兎神ははぐらかす。総司はその言葉に何かを感じた様子を見せる。
第4話
祭りの夜、会場は予想を上回る人出で賑わう。迷子はトールが連れて来て、左慈が預かる。総司はツクヨミとアマテラスに休むよう勧められ、屋台を見て回る。途中、ナポレオンが新島八重の射的に挑む姿も見かける。やがて総司は、祖母と孫娘を見守る兎神を見つけ、二人との関係を問いただす。
兎神によれば、祠ができた頃は旅人に祀られて力を持っていたが、道が整うにつれて祈られなくなり、忘れられて力が衰えた。そんな時に祠へ来たのが、あの祖母だった。彼女は想い人が長旅から無事に帰った礼を言いに訪れ、その後も掃除や供え物を続けて身の上を語り、やがてその人と夫婦になった。兎神は、最近来なくなった彼女の様子を見に行き、病で先が長くないと知る。亡き夫と結ばれるきっかけが祭りだったため、手向けとして祭りを望んだのだという。総司は、兎神が満足したまま消えるつもりだと見抜く。兎神は、道を見守るだけの存在に戻るだけだと語るが、総司は納得せず、思い通りにはさせないと告げる。
ヒーローショーで、総司は兎たちを呼び寄せて敵役にし、朱雀たちはその数に負ける。続けて総司は観客に向かい、この祭りは新年を祝うだけでなく、兎の姿をした土地の守り神のためのものでもあると明かす。そして、うさぎの巫女を捕まえた人に幸運が授かる「うさぎ追い」の開幕を宣言する。アマテラスとツクヨミは、総司が兎神を忘れさせないために動いたと察する。兎神は定めは変わらないと言うが、アマテラスとツクヨミも逃げ役に加わり、ヤマトタケル、ミカエル、ジャンヌ、リトリーも追いかけっこに加わる。
第5話
少女の祖母は、兎の神様に感謝しなければと言い、孫娘と総司の舞を見に向かう。うさぎ追いが宣伝となって会場はさらに混み合う。総司の舞は、練習を見てきたアマテラスも見惚れるほどの出来になる。兎神は、信仰を失い忘れられた者の定めとして、祭りの終わりまで姿を保てたことに安堵する。アマテラスは、人の思い描いたものは形を得ることがあるが、忘れられれば形を保てなくなると説明する。ツクヨミは、総司の行いに効果があったかの判断は難しいと言う。それでもアマテラスは、祭りは参加者が意図せずとも儀式であり、効果があったと信じたいと語る。
総司の音頭で観客が年越しを迎えた直後、アマテラスは近くにある気配を感じる。屋台を巡る正体不明の二人連れのうち一人は、もう一人に占ってもらった運命の相手を探していた。だが人混みでは難しいと諦め、二人は祭りを楽しむことにする。気配はやがて遠ざかっていく。
舞を終えた総司は疲れ果て、もう二度とやりたくないと漏らす。兎神の力は戻っていないが、総司は祠の修繕を提案し、暇なときには拝みに行ってもいいと言う。総司は、忘れられて消えるのは自分なら耐えられないと語る。定めなど知らない、生きたいなら最後まで足掻いてみればいいと兎神に告げる。強いのだなと言う兎神に、総司は自分はか弱い病身の兎の巫女にすぎないと返す。
登場人物
- 沖田総司:兎神にうさぎの巫女として舞を任される。兎神が消えるつもりだと知り、うさぎ追いを仕掛けて兎神の存在を人々に広める。
- ツクヨミ:兎たちとの交渉や祭りの設営を取り仕切り、食料を補うため狩りにも出る。
- アマテラス:兎神の神気を見抜き、祭りの開催を後押しする。総司の舞の練習にも付き添う。
- 主人公:この地を任された立場として、兎神の求めに応じて祭りの開催を決める。
- リトリー:一行に同行し、兎神の含みのある言葉の意味を問う。
- 朱雀:出し物の練習中に爆発騒ぎを起こし、ヒーローショーを行うことになる。
- ジャンヌ・ダルク:祭りの準備を手伝い、城の蓄えの事情を説明する。うさぎ追いにも加わる。
- ヤマトタケル:狩りに同行し、冗談のとおりにアビスと出くわす。うさぎ追いでは真っ先に追いかけ始める。
- ココペリ:肉料理の屋台を増やそうとし、狩りのきっかけを作る。
- スサノオ:街の人々との打ち合わせを担い、出し物の会場の確保に動く。