あらすじ
クローデット、土方歳三、ブリュンヒルデは、それ以前の記憶が無いまま月の荒野で目を覚ます。三人はきらびやかなコロニーにたどり着き、住民から、この町は「天使様」が立て直したのだと聞く。そこへ一人のレジェンドが現れ、三人に話を持ちかける。同じころ、主人公たちクルセイダーズも、夜が無いといううわさの町を目指して旅をしている。町の繁栄の裏で何が起きているのか、そして天使兵とともに現れたかつての仲間に何があったのかが、物語の焦点になる。
ストーリー
第1話
クローデットが月の荒野で目を覚ますと、そばに土方歳三がいる。ブリュンヒルデが周囲を見に行っているが、ほかのレジェンドや人間には会えていない。三人には、地上で戦いに勝ったところから先の記憶が無い。危ないからと土方は止めるが、クローデットは人のいるところを目指すと決め、三人はブリュンヒルデが「月のコロニー」と呼ぶきらびやかな町に着く。
町の住民はみな目隠しをしている。クローデットは、豊かに見える町なのに人々がどこか張りつめていると感じる。無愛想な女によれば、荒れていたこの町を立て直して治めているのは「天使様」で、町を見回っているという。そこへ一人のレジェンド(のちに張角と分かる)が現れ、町のことを嗅ぎ回る三人を問いただす。このレジェンドは自分は天使にこき使われているだけだと名乗ったうえで、三人に提案を持ちかける。一方、主人公たちクルセイダーズは、ヘルミィの案内で町へ向かっている。
第2話
天使兵の追手をかわしながら、クルセイダーズは夜が無いといううわさの町に着く。月に捨てられたあと独自に栄えた町だとヘルミィは聞いていたが、夜になっても昼のように明るくにぎわっている。食堂でいちばん高い料理を頼もうとすると、「天使様」専用の料理だと断られる。ナインが通りかかると、従業員は彼女を天使様と思い込み、おびえたように態度を変える。町の人の話から、一行は「天使様」とは天使兵のことだとみる。
そこへ天使兵が、クローデット、土方、ブリュンヒルデ、張角を連れて現れる。張角はこの三人は自分が呼んだ仲間だと言い、クローデットもクルセイダーズとは知り合いではないと答える。沖田総司が呼びかけても、土方は聞かずに斬りかかってくる。戦いのあと、一行は町の危うさを承知のうえで、町とクローデットたちの事情を調べることに決める。沖田は、土方が月に従うはずはないと言い張る。
その後、土方はブリュンヒルデに、沖田は生前に新選組でともに戦った仲間であり、かつての仲間に刃を向けるのはつらいと打ち明ける。クローデットは、自分はもう女王ではないので、望むならあちらへ行ってよいと言う。しかし土方は、ほかの騎士団員の行方が分かるまではクローデットに仕えると決め、クルセイダーズと戦わずに済むことを願う。
第3話
天使兵たちは、自分たちを調べるクルセイダーズを月から来た使者ではないかと恐れ、張角の仲間の力も借りて捕まえようと決める。張角は、自分たちとクルセイダーズの目的は同じではないかという土方の言葉を退ける。天使兵はレジェンドをひどく警戒しており、クローデットたちを仲間だと信じさせるのにも苦労したからだという。
時間をさかのぼって、張角と三人が出会った場面が描かれる。張角によれば、町の明かりは夜も住民を働かせるためのものだという。住民は逃げることもできず、「天使様」に死ぬまで尽くすしかない。正面から戦えば月の中央から増援が来るだけなので、まず天使兵に信用されてから、町を圧政から解き放つつもりだと張角は話す。クローデットは手の届くところにいる民を救いたいと加わり、三人は張角の部下という形になって、部下らしい服に着替える。
張角は、月と連絡を取るための魔導装置を使えなくする策を立て、三人を連れて廃墟のような建物に入る。装置は見つかるが、術式が反応しない。そのあいだ、クルセイダーズはクローデットたちを見つけるが、天使兵に邪魔されて見失う。やがてヤトが、月の力を感じるのに寂れた建物を見つける。一行が光の漏れる部屋の扉を開けると、張角と土方たちがいる。
第4話
天使兵のいない場で、土方は主人公と沖田に、斬りかかったことを謝って事情を話す。張角も、自分は月の側ではなく、住民を巻き込まずに町を救う方法を探していたと明かす。ヘルミィは、張角が月の中央と連絡を取ったことが一度も無いことや、装置が使われた跡の無いことに注目する。そして、装置が反応しないのは月の中央に対になる装置が存在しないためで、町は月との連絡を絶たれており、天使兵は孤立無援だと推理する。土方は沖田に手を差し出し、二人は再びともに戦うことになる。
一行は天使兵のもとへ乗り込み、ミカエルは大天使として天使の名をかたる行いを咎める。戦いに敗れた天使兵たちは、すべてを打ち明ける。天使兵を替えのきく物として扱う月の方針に反発して離脱し、荒野をさまよった末にこの町へ流れ着いたこと。残っていた住民に天使と間違われ、初めは住民と一緒に町を立て直していたこと。しかし崇められて楽な暮らしに慣れ、日が落ちても働かせるために町から夜を無くしたこと。結局は自分たちも住民を替えのきく物として扱っていたのだと、天使兵たちは認める。
天使兵たちは町を出て、あとを張角に任せようとする。しかし張角は、住民に希望を与えた責任を取ってやり直すよう求め、自分は特別顧問として残ると申し出る。天使兵たちはこれからは住民のために行動すると誓う。そのあと、クローデットは、バロアという後ろ盾を失った自分の無力さをブリュンヒルデにこぼす。ブリュンヒルデは、自分も土方も、バロアとは関係なくクローデット自身を信頼して付いてきているのだと伝える。
第5話
天使兵が心を入れ替えたあと、クルセイダーズはクローデットたちの歓迎会を兼ねて食事をする。三人の目立つ服装は、店員に着せて給仕させれば稼げると考えた張角の思いつきだったことが分かる。張角に料理を運んでみるよう言われると、土方はクローデットにさせることではないと反対する。しかしクローデットは、感謝は行動で示すものであり、今の自分は女王ではないとして引き受ける。
料理を運んだクローデットは、主人公にこれまでの礼を言い、再会できてうれしいと伝える。そして、これからは女王ではなく一人のクローデットとしてよろしく頼むと告げ、女王だったころには見せなかった柔らかな笑みを浮かべる。にぎやかな一行を見てバロアにいたころを思い出したクローデットとブリュンヒルデは、いつかほかの騎士団の仲間とも道が交わることを願い、一歩ずつ進もうと誓い合う。
登場人物
- クローデット:月で目覚めた元バロアの女王。町の民を救うため張角に協力し、女王ではない一人の人間として生きる道を考えはじめる。
- 土方歳三:クローデットに仕えるバロア騎士団副団長。新選組の仲間だった沖田とクローデットへの忠義とのあいだで悩み、真相が分かったあと沖田と再び肩を並べる。
- 張角:天使兵にこき使われながら、町の圧政を内側から変えようとするレジェンド。最後は町の特別顧問として残る。
- ブリュンヒルデ:クローデット、土方とともに目覚めたバロア騎士団の一人。落ち込むクローデットに、自分たちは彼女自身を信頼していると伝える。
- 沖田総司:土方のかつての仲間。土方が月に従うはずがないと信じ、事情を確かめるよう一行に強く求める。
- 主人公:クルセイダーズの隊長。沖田の思いを受けて、町とクローデットたちの事情を調べることに決める。
- ヘルミィ:一行を町へ案内する。使われた跡の無い連絡装置から、町が月と連絡を絶たれていると見抜く。
- ソル:元バロア騎士団の一人として、クローデットたちを放っておけないと調査に加わる。
- ミカエル:大天使として、天使の名をかたった天使兵たちを咎め、やり直すよう促す。
- ヤト:月の力を感じる寂れた建物を見つけ、クローデットたちとの再会につなげる。