あらすじ
バレンタインが近づくなか、悪魔のアモンは、礼として主人公にチョコを渡そうかと考える。しかし、悪魔の自分が渡せばかえって迷惑になるのではないかと迷っている。たまたま同じ方向に用があったパンドラと連れ立って歩くうちに、アモンはパンドラの目当てである教会のバレンタイン相談会に居合わせる。パンドラも、主人公にどんなチョコをどう渡せばよいかで悩んでいた。相談会を開いたのは恋の神のエルスとクピドだが、二人は考え方が正反対で、どちらが助言するかで張り合い始める。そこに裸エプロン姿の左慈も加わり、相談はさらに騒がしくなっていく。
ストーリー
第1話
バレンタインが近いことに気づいたアモンは、チョコの材料を選んでいるパンドラ、ネメシス、リチャード1世、コノハナサクヤヒメ、ミカエルと出会う。主人公にどんなチョコを贈るのか聞かれたアモンは、恋愛の気持ちは無いと答える。しかしミカエルとリチャード1世から、感謝の印として渡すチョコもあると教わり、考えてみることにする。
アモンは、主人公とは二千年前から利害の一致で行動を共にし、助けられてきたことを思い返す。それでも、悪魔の自分がチョコを渡せば迷惑ではないかと気にかかる。パンドラも、自分が災いを招くのではという不安をまだ拭えずにいると打ち明ける。アモンについてきたパンドラは、同じ方向に用があったのだと言い、行き先が教会のバレンタイン相談会であることを明かす。
教会ではエルスとクピドが、バレンタインのあり方をめぐって言い争っている。立ち去ろうとしたアモンはクピドにつかまり、最初の相談者にされる。クピドはアモンが主人公に恋していると決めつけるが、アモンはそれを否定し、日頃の礼としてならチョコを渡すと決める。続いてパンドラの番になると、エルスとクピドは、どちらの恋の神に相談したいのかとパンドラに迫る。
第2話
エルスとクピドがどちらが助言するかで張り合うなか、パンドラは悩みを打ち明ける。これまでは災いを恐れて尻込みしていたが、今年は後悔しないよう主人公にチョコを渡したい。ただ、お菓子作りが得意な仲間や気持ちを伝えるのに積極的な仲間もいるので、並のやり方では喜ばれないのではと不安なのだという。クピドは、相手の好物や二人の思い出にちなんだチョコにしてはと勧める。エルスは、渡し方で差をつけるべきだと唱え、体の魅力を強調せよと主張する。
二人は意見がぶつかるが、女の子に幸せになってほしいという目標は同じで、一緒に組むと良い結果になることが多い間柄だと語る。アモンは、普通のチョコを普通に渡せれば十分だという態度を変えない。そこへ新たな相談者として左慈が裸エプロン姿で訪れる。主人公にもっと愛されたいという相談である。左慈によれば、この衣装には他の男性には普通の服に見える方術がかけてあり、新妻らしい振る舞いを日頃から身につけることで、チョコに込める愛を深めるためのものだという。
エルスと左慈は新婚の定番をめぐってすっかり意気投合する。それを見たパンドラも興味を持ち、エルスに衣装選びを任せる。クピドは、エルスの好きにはさせないと言い、清く正しいバレンタインを守るために自分たちも頑張ろうとアモンを引き込む。
第3話
エルスはパンドラを衣装部屋へ連れていく。パンドラは、左慈に張り合うつもりは無いと言いながらも、ここで怖気づいては相談会に来た意味が無いと考え、エルスに任せる。エルスが選んだのは牛柄の極小水着にニーハイソックスを合わせた衣装である。一方クピドは、露出を抑えた可愛い服をアモンに着せる。クピドは、恋の神同士の腐れ縁でついエルスと張り合ってしまうと明かすが、一番大事なのはアモンの恋を助けることだと語る。アモンは、菓子作りの経験がほとんど無いことを打ち明け、チョコ作りの手助けを頼む。
材料を買いに出た一行は、森にアビスが出ると聞いて退治に向かう。しかし群れは次々と現れ、きりが無い。そこへアーサー、トリスタン、ガラハッド、ニムエが駆けつけ、アビスを一掃する。アーサーたちは、この森で採れる「幻のカカオ」を求めて来ており、カカオを好むアビスを先に退治して回っていたのだという。
アーサーはパンドラと左慈の格好は行き過ぎだと言うが、エルスの話に感化され、自分も取り入れようとする。考えを問われたパンドラは、もし誰かを誘惑するなら、特別な体質に頼らず自分の意思と努力でしたいと答える。アモンは、人間の文化に合わせて義理を通すだけだと言う。しかし左慈から、心の底から主人公を好きになったらどうするのかと問われて言葉に詰まり、話を打ち切って帰ろうとする。
第4話
一行はエルスの家でチョコを作る。アモンのチョコは不格好で、既製品を渡した方がいいのではと弱気になる。クピドは、頑張りは伝わるし見た目にとらわれるべきではないと励まし、相手の目を上目遣いで見ながら手渡す練習をアモンにさせる。エルスはパンドラと左慈に過激な渡し方をいくつも教え、チョコに見立てた液体を体に塗る方法を試させる。パンドラはそれに次第に夢中になる。
そこへ、エルスの教会で働く元天使兵の修道女が訪ねてくる。地の文によれば、彼女は月から追放された元天使兵で、かつてはエルスを恨んで嫌がらせをしていたが、今は償いのために教会で働いている。彼女は汚れた部屋とパンドラの姿を見て、エルスがセクハラをしていると怒る。パンドラと左慈が自分たちの望んだことだと説明すると、彼女は早とちりを詫びる。エルスはこの騒ぎを、自分の作戦が男性に効く証拠だと受け取る。
エルスはさらに、チョコを食べさせてあげる作戦や、左慈向けに音楽とお香を使う案を出す。尻尾を手のように動かせるアモンには、主人公がチョコを食べている間に、周りに見えないよう尻尾で合図を送る作戦を授ける。クピドもこの案を気に入って賛成する。アモンは、伝えたいことは口で普通に伝えると反発するが、相談会はますます盛り上がり、一行は主人公をどきどきさせる練習を重ねる。
第5話
主人公は仲間たちからチョコレートパーティーに招かれる。会場に着くと、パンドラ、左慈、アモンの三人しかいない。左慈が主人公にだけ早い時間を伝えていたためで、本人はうっかりだと言うが、アモンはわざとだろうと疑う。アモンは、人前で渡すのは居心地が悪いからと、三人だけで先に始めると言い出す。アモンは、敵として出会いながら行動を共にするようになった日々を振り返り、今はそれも悪くないと思っていると語る。そして手作りのチョコを渡し、これからもよろしくと伝える。
左慈は魔導具で音楽を流し、口移しでチョコを渡そうとする。そこへエルスとクピドがもつれ合いながら駆け込み、エルスが左慈にぶつかってしまう。主人公はよろけた左慈を抱き留め、落ちかけたチョコも受け止める。左慈はこれも収穫だったと言い、続きは二人きりの時にと告げる。パンドラは、エルスの助言を受けた衣装と渡し方でチョコを差し出す。パンドラは、主人公を誘惑したいと思ったのは自分の意思であり、過去を悔やんでばかりいた自分が希望を持てるようになったのは主人公のおかげだと感謝を伝える。
やがて本来の開始時刻が近づき、リトリー、ユノ、ミカエル、ヘルミィ、ジャンヌらが集まってくる。アモンは、腹が減っていたから自分が先に始めようと言い出したのだと言ってその場を収める。パンドラは、仲間全員への感謝のチョコも用意していた。胸元にチョコが付いているのをシルドラに指摘されたパンドラは、うっかりだと言い繕う。パーティーは夜が更けるまで続く。
登場人物
- パンドラ:災いを招く不安を乗り越え、主人公にチョコを渡そうと相談会を訪れる。エルスの助言を受けた衣装と渡し方で、感謝の気持ちを伝える。
- アモン:悪魔がチョコを渡せば迷惑ではないかと迷うが、日頃の礼として主人公に手作りのチョコを渡す。
- エルス:相談会を開いた恋の神の一人。体の魅力を前に出す渡し方を勧め、パンドラの衣装と作戦を手がける。
- クピド:もう一人の恋の神。真心を重んじてエルスと張り合い、アモンの衣装選びと渡し方の練習を受け持つ。
- 左慈:主人公の未来の妻を自称する。方術をかけた裸エプロン姿で相談会に加わり、口移しでチョコを渡そうとする。
- 主人公:チョコレートパーティーに招かれ、三人からそれぞれのやり方でチョコを受け取る。
- アーサー:幻のカカオを採りに来た森で一行を助ける。エルスの話に感化され、自分も取り入れようとする。
- 元天使兵:エルスの教会で働く修道女。パンドラがセクハラを受けていると誤解してエルスを叱る。