あらすじ
バレンタインの日、ナポレオンはエリザベート・バートリにこの行事のことを教える。特別な人にチョコレートを贈る日だという 。ナポレオンとオーディンは主人公にチョコを渡すつもりでいるが、エリザベートに理由を聞かれると、なぜ主人公でなければいけないのかを二人とも答えられない 。そこへ悪魔のフルフルが現れる。フルフルはこの世に愛など無いと言い放ち、愛が本物かどうかを賭けた勝負を挑む 。こうして三人は、フルフルが選んだ街の人々の愛をめぐって勝負を続けることになる 。
ストーリー
第1話
ナポレオンは、エリザベートを登場人物にした紙芝居でバレンタインを説明する。恋人でなくても、片思いの相手や友人、家族に気持ちを込めてチョコを贈る日だという。そのころ、オーディンはチョコまみれの姿で主人公を追い回している。ナポレオンはオーディンを取り押さえて主人公を逃がし、一緒にチョコを作ろうと持ちかける 。ところがエリザベートに、なぜ隊長にチョコを渡したいのかと聞かれると、ナポレオンもオーディンも、主人公でなければならない理由を見つけられない 。
そこへ普通の少女の姿をした者が現れる。正体を見抜かれて、自分は悪魔のフルフルだと名乗る。フルフルによれば、肉弾戦は得意ではなく、頭を使う心理的な戦いがしたいのだという 。フルフルは、クルセイダーズの長を好きな理由を具体的に言えないのは、そもそも愛など存在しないからだと言い張る。主人公への思いを否定されたナポレオンとオーディンは、愛の証明を賭けた勝負を受けて立つ 。
第2話
服選びで一時打ち解けたあと、フルフルは戦う理由を打ち明ける。悪魔の中でも末席にいて、下級のアビスからも見下されているという。見返そうとして、クルセイダーズ全員を一人で倒すと言い切ってしまったのだと語り、泣き出す。ナポレオンはフルフルを慰め、努力はいつか実ると励ます 。最初の勝負は、仲の良い恋人ダリルとアニーの仲を裂けばフルフルの勝ち、守り抜けば三人の勝ちと決まる 。フルフルは夜のうちに、ダリルのシャツにキスマークを付ける。さらにアニーの鞄に宝石と浮気をにおわせるカードを入れる。二人は翌朝激しく言い争い、フルフルがそれをあおったため、アニーは去ってしまう 。
オーディンは二人の仲を取り戻すと請け負う。そしてフルフルが、見た目を別人のように思わせる魔術を使えることを指摘する。この魔術は数時間しか続かず、レジェンドや悪魔のように力のある相手にはすぐ見破られるという。フルフルは、協力しないなら自分を鞭で打ってもらうというオーディンの迫り方に怯えて、手を貸す 。アビスに襲われたアニーを、魔術で美男子に見えるオーディンが助けて口説く。アニーは一度はなびくが、ダリルの声が聞こえた気がして誘いを断る。二人は互いに謝り、仲直りする 。勝負のあと、オーディンは主人公を求める理由に気づいたと話す。主人公は自分を心から気遣ってくれる、自分を最高に気持ちよくしてくれる存在だという 。
第3話
フルフルが土下座して頼み込み、エリザベートもしぶしぶ勝負の続きを受ける 。次の相手はラッセルという男である。仕事をクビになり、妻に別れを告げられるのが怖くて家を出たままになっている。今後も妻と暮らせるようになれば三人の勝ち、という勝負が決まる 。ナポレオンが見つけたチョコ店の売り子の仕事で、オーディンは客を遠ざけてしまう。代わりにエリザベートが客を装って人を集め、ナイチンゲールもワルキューレたちのためにチョコを買いに来る 。ところが、ラッセルが試食を勧めた少女は、フルフルの魔術で少女に見えていたアルテミスだった。怒ったアルテミスにエリザベートが失言し、一行はオーディンを囮にして逃げる 。
ナポレオンはエリザベートに、自分がラッセルに肩入れする理由を話す。かつて成功を重ねるうちに仲間の嫉妬を招き、皇帝になったころには、こびへつらう者しか周りにいない孤独を味わったのだという 。ラッセルはキキーモラのもとでの掃除や、ソロモンの助手、ダ・ヴィンチの実験台などの仕事をこなし、わずかな給金を手にして自信を取り戻す 。しかしフルフルにそそのかされて賭博に手を出し、稼いだ金を全部失ってしまう 。そこへナポレオンが、ラッセルの妻を連れて来る。ナポレオンは何度も妻を訪ねて、ラッセルの頑張りを伝えていた。妻はラッセルを一人にはしないと言って迎え入れ、勝負は三人の勝ちとなる 。ナポレオンは、どれほど成功しても離れずに寄り添ってくれる主人公こそ、自分を独りにしない存在だと気づく。そして感謝を込めてチョコを渡そうと決める 。
第4話
もう一度勝負したいとフルフルがだだをこねる。ナポレオンは、エリザベートがまだ主人公の存在に気づけていないこともあって応じる 。山でアビスに襲われていた少年サムを、一行は助け出す。このときフルフルの命令はアビスに無視される 。サムによれば、母が病気で亡くなってから、父カールは家族を避けるように働きづめになり、姉ケシーは悪い仲間とつるんでいる。サムはもう一度、家族でピクニックがしたいと願っている。サムが家族とピクニックできるかどうかが、次の勝負になる 。エリザベートは一人で父と姉を説得しに行く。二人に昔へは戻れないと言われても、エリザベートは「戻れる」と言い張る 。続いて、エリザベートの回想とみられる場面が挟まる。踊ってみせても、老いた自分には家族が笑わなくなった。美しい少女に戻りたいと願い、若い血を求める場面である 。
落ち込むエリザベートの話を聞いた主人公は、サムは過去に戻るのではなく前に進もうとしているのだと言う。だから伝えるべきは「前に進め」ではないかと話し、協力を申し出る 。カールとケシーは互いに相手から呼び出されたと思って現れる。そこでオーディンとナポレオンが悪党を演じてサムをさらい、主人公が騒ぎ立てる。二人は思い出の森へサムを追う 。行く手を阻んだのは、魔術で暴君サタナキアの姿に化けたフルフルと、従わされたアビスたちである。エリザベートは敵を引きつけ、二人に前に進めと告げて先へ行かせる。そこにナポレオンとオーディンも加わる 。
やがてフルフルの魔術が解け、だまされたと知ったアビスがフルフルに襲いかかる。ナポレオンがフルフルを助け、クルセイダーズに入らないかと誘う。フルフルは、次こそクルセイダーズを倒すと言い残して去る 。サムは母の料理をまねた弁当を作っており、家族は久しぶりに笑い合う。カールは、これからは家族で助け合って前に進もうと語る 。ナポレオンは、家族とは一緒に前を向いて進む存在だと説く。エリザベートは、自分の家族は過去にしかいないと答える。家族になりたい人はいるのかと聞かれると、いると認めつつも言葉を濁す 。
第5話
ナポレオンはすでに主人公にチョコを渡しているが、エリザベートは何度試みても渡せずにいる 。エリザベートは、主人公と新しい家族になって笑い合いながら前に進みたいと打ち明ける。一方で、自分が老いれば主人公も両親のように離れていくのではないかと怖れている。叶った恋が色あせるくらいなら今のままがいい、と考えてしまう自分の心は年老いたままだと嘆く 。オーディンとナポレオンは、前に進もうとするエリザベートの努力は報われると励ます。そして、時が経っても変わらない友情でずっと側にいると約束し、少しずつ一緒に進もうと語りかける 。エリザベートは涙ながらに二人へ感謝を伝える。ただ、チョコまみれのまま抱きついたオーディンには、ドレスが汚れたと苦言を呈する 。
登場人物
- エリザベート・バートリ:バレンタインを教わる側として勝負に付き合う。第4話からは、過去に戻りたいという思いと、主人公への恋をめぐる怖れに向き合う
- ナポレオン:バレンタインの説明役。フルフルを「うちの子」と呼んで母親のように世話を焼き、ラッセルの立ち直りを裏で支える。主人公が自分を独りにしない存在だと気づく
- フルフル:悪魔の中でも末席で、下級アビスにも見下されている。この世に愛は無いと主張して勝負を挑み、見た目を偽る魔術を使ってアルテミスを少女に見せたり、サタナキアに化けたりして三人の邪魔をする
- オーディン:主人公にチョコまみれで迫る。第2話では魔術で美男子に見える姿でアニーを口説き、恋人たちの仲直りのきっかけを作る。主人公を慕う理由にも気づく
- 主人公:落ち込むエリザベートの相談に乗り、「前に進め」と伝えるべきだと助言して、サムの家族を引き合わせる計画を手伝う
- アルテミス:フルフルの魔術で少女に見えていたところを、ラッセルに試食を勧められて怒る
- ナイチンゲール:繁盛するチョコ店で、ワルキューレたちのためにチョコを買う
- ワルキューレ:チョコ店の人だかりに気づき、仲間たちを呼び集める
- キキーモラ:ラッセルに掃除の仕事を教える