あらすじ
旅の途中、主人公たちはしばらく滞在する予定の港町を訪れる。クローデットは海の様子が似ていたことから、女王になる前に別の港町で犯した過ちを思い出し、仲間たちに打ち明ける。昼食に立ち寄った海の家では調理用の魔導具が爆発するが、店主のラプスが水の壁を作ったため、一行は無事に済む。ラプスは水の精霊で、昔から不運続きの体質に悩んでいた。また町は、アビスの影響で港としても観光地としても寂れてしまっていた。
ストーリー
第1話
港町に着いた一行が海を楽しみにする中で、クローデットだけは沈んだ顔をしている。クローデットは、女王になる前のこと、ある港町で敵を倒そうと焦り、守るべき民を囮に使って犠牲にしたと明かす。その後悔から力を求め、どんな手を使ってもバロアの民を守ると誓ったのだという。ジークフリートは、力がありながら守れなかった自分にも罪があると語る。クローデットによれば、この町はその港町ではなく、あの町はもう地上に残っていないかもしれない。
クローデットは沈んだ空気を変えようと、明るく昼食に誘う。仲間たちは、クローデットにこの海で楽しい思い出も作ってほしいと話す。ジャンヌと主人公は、観光地らしい町並みなのに海で遊ぶ人がほとんどいないことに気づく。一行が入った海の家では、店主の女性が使う魔導具の術式に異常が起き、火が上がる。ジークフリートとクローデットが食い止めようとし、店主は秘術で海水を巻き上げて水の壁を作る。水が厨房に流れ込むのとほぼ同時に爆発が起きる。
第2話
厨房の奥は爆発で崩れるが、水の壁のおかげで一行は無傷で済む。店主はラプスという水の精霊で、くじに当たったことがない、地上に来たのも指示の間違いや転送装置の誤作動が重なった結果だと、昔から運が悪かったことを語る。調理用の魔導具が不良品だったことも自分の体質のせいだと考えており、奮発して新しい魔導具を用意したのに裏目に出て客を巻き込んだことを気に病んでいる。クー・フーリンはそれを呪いと呼び、ラプスを「影の同盟」に誘う。ソルは、不幸体質など気にせず友達になろうという意味だと言い添える。
そこへアビスが現れる。ラプスは自分のせいだと嘆くが、クー・フーリンは下に着ていた水着姿になり、日傘でアビスを倒す。クー・フーリンは心の中で、肌を見せることに抵抗はあったものの、指輪を得て成長したソルに負けていられないと思って水着を着たと明かす。主人公との仲を深めたいという思いものぞかせる。クローデットに頼ってほしいと言われてラプスは頷き、一行は店を手伝うことになる。
瓦礫の片付けでは、クローデットも自ら力仕事をする。今の自分は女王ではなく皆と同じレジェンドだというのが理由である。ブリュンヒルデはこれを好機と考え、ソルと二人でクローデットを店へ連れて行き、水着に着替えさせる。クローデットは日差しよけの帽子も合わせて買い、まだ仕事が残っていると言ってすぐに作業へ戻る。
第3話
町の人々がラプスを心配して集まる。町の商会長によれば、町はラプスが来る前から傾いていた。沖合にアビスが湧いて船が近づけなくなり、港として立ち行かなくなったため観光地として売り出したが、近年は街道にもアビスが増え、旅行を控える風潮が広まっているという。ラプスは、さまよっていた自分を温かく迎えてくれた町に恩を返したいと語る。クローデットは、アビスの脅威は自分たちが退けると請け合い、安全を確保したうえで旅行客を招いて満足してもらうのがよいと提案する。
町の近くにアビスが出たと知らせが入り、一行は襲われていた旅の商人を助ける。商人に町には海しかないと言われ、ラプスは言い返せない。そこでクローデットが、美しい海と食事と宿を合わせた町の価値を説き、商人に町へ寄ってみると言わせる。一行が町に戻ると、ラプスの店は葛飾北斎、ソロモン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、レオニダス、カティアらの手で、前より立派に建て直されている。
商人はラプスの料理を、美味いが極上とまではいえないと評する。しかしラプスが本気の一品として出したかき氷を食べて驚き、このかき氷一杯のために町へ来る価値があると絶賛する。一行もラプスの料理を振る舞われ、特にかき氷を口々に褒める。
第4話
自信をつけたラプスと町の人々は、商人が評判を広めるのを期待しつつ、自分たちでも宣伝し、町全体で盛り上げていくことを話し合う。主人公はポセイドンに海のアビス退治を頼み、街道は交代で見張ることにする。クローデットは、アビスはどこかからはぐれてきたもので、発生源が近くになければいずれ尽きると説明する。ここでいう発生源とは、地上に落ちた指輪のことである。クローデットはさらに、宿のサービスや店同士の連携についても方針を示す。
会議の後、夜のビーチで主人公はクローデットと話す。主人公は、王冠を外して帽子をかぶったクローデットの姿が新鮮だと伝える。クローデットは、王冠は自分が策を弄して手に入れた力の証であり、戦いに身を置く限り手放さないと語る。そのうえで、仲間の気遣いを受け入れ、水着でいる間は女王だったことを忘れようとしたのに、会議では女王のように口出ししてしまったと悔やむ。主人公は、困っている人に道を示すところがクローデットらしいと伝える。
ある日、トールと服部半蔵がラプスの店の新メニューをめぐって言い争い、クー・フーリンも加わって三つ巴になる。ラプスは新メニューを断り、代わりに海辺のほかの店に協力してほしいと頼む。トールの提案で店同士の売上勝負が開かれることになり、マンサ・ムーサが優勝者の願いを叶えると申し出る。主人公は一つの店に肩入れしないという決まりのもと、各店を回って手伝う。浜辺では、ダンタリオンとはぐれたフルフルがネロの使い走りをさせられている。フルフルはマリー・アントワネットとラファエルに追われて逃げ出す。
第5話
主人公は、売り子をしているジャンヌ、ミカエル、ユノのもとを訪れ、休暇で様子を見に来たサリエルと出会う。その後ラプスの店に戻ると、かき氷が予想以上に評判で、店は閉店間際まで混み合っている。クー・フーリンの手際の良さは、影の国で師匠スカアハの身の回りを世話していたことで身についたものだった。
翌朝、売上勝負の結果が発表され、ラプスの海の家が優勝する。ラプスは、願いは町が賑わうことそのものだとして、特典をクローデットとクー・フーリンに譲る。ヤマトタケルが持ってきたくじをクローデットが引くと、主人公とご飯を食べさせ合うという内容が出る。土方歳三は無効を訴えるが、クローデットは自分で引いた結果に従うと言い、主人公とかき氷を食べさせ合う。クローデットは、その意味が少しわかった気がすると語る。
クー・フーリンも主人公と同じことをしたいと名乗り出る。それを見ていたジークフリートに、謎の声が「力が欲しいか?」と呼びかける。声の主はファフニールで、本で読んだ場面を真似した遊びだった。ファフニールは、ジークフリートがクローデットたちをうらやんでいたことを指摘し、ジークフリートのために一肌脱ぐと告げる。物語は後編へ続く。
登場人物
- クローデット:港町での過去の過ちを打ち明ける。町の再興に向けて方針を示し、最後はくじに従って主人公と食べさせ合いをする。
- ラプス:不幸体質に悩む水の精霊で、海の家の店主。迎え入れてくれた町に恩を返そうとしており、かき氷で商人に認められる。
- クー・フーリン:ラプスを影の同盟に誘い、水着姿でアビスと戦う。店の仕事もてきぱきとこなす。
- 主人公:ラプスへの協力を決め、夜のビーチでクローデットと話す。売上勝負では各店を回って手伝う。
- ジークフリート:クローデットの過去の出来事に自分も責任があると語る。最後にファフニールから声をかけられる。
- ソル:クー・フーリンの言葉をわかりやすく言い換え、ブリュンヒルデと一緒にクローデットを水着の店へ連れて行く。
- ブリュンヒルデ:クローデットを水着の店へ連れて行き、着替えさせる。
- トール:新メニューをめぐって服部半蔵と争い、店同士の売上勝負を言い出す。
- マンサ・ムーサ:売上勝負の後ろ盾となり、優勝者の願いを叶えると約束する。
- ファフニール:謎の声を装ってジークフリートに呼びかけ、ジークフリートのために一肌脱ぐと告げる。