あらすじ
「妖精の森」に迷い込んだ仲間たちは、童話の登場人物になりきっている。リトリーが触れると元に戻るが、森が深いため、まだ全員は見つかっていない。城で迎えてくれた妖精によれば、この不思議な空間はもうすぐ閉ざされるという。主人公たちは、いくつかのチームに分かれて仲間を捜しに出る。主人公のチームは、うさぎになりきったカエサルを見つけるが、カエサルは逃げ出し、木の根元の穴へ入っていく。
ストーリー
第1話
主人公は、いくつかのチームに分かれて仲間を捜し、見つけた者は城へ連れて来るという方針を立てる。レオナルド・ダ・ヴィンチは発明品「行き先を示すくん」の目的地を城に設定し直し、迷わず戻れるようにする。人捜しの手がかりには、この空間では狼のように匂いを辿れるクピド、トール、ソルの「狼組」があたる。主人公のチームにはリトリー、クローデット、クピド、ダ・ヴィンチが加わる。
クピドの嗅覚を頼りに進むと、忙しそうに急ぐカエサルに出会う。うさぎになりきったカエサルは、狼姿のクピドと赤ずきん姿のクローデットを怖がる。カエサルは、赤ずきんとは返り血が目立たないよう赤い装束をまとう裏稼業の者のコードネームだと言い張り、暗殺されたくないと叫んで木の根元の穴へ逃げ込む。主人公たちは覚悟を決め、底の見えない穴に飛び込む。
第2話
長い落下の末、一行は無事に底へ着き、奇妙な色彩の森に出る。「行き先を示すくん」の矢印はでたらめに回る。ダ・ヴィンチは、現在位置はほとんど変わっていないが、より深い異空間に入り込んだのかもしれないと推測する。
近くの小屋では、マスター・ルルアが泣いている。ルルアはうさぎを追って穴に落ち、小屋にあった飲み物を口にして体が小さくなり、出られなくなっていた。リトリーがソロモンから預かった解除薬を飲ませると、ルルアは元に戻る。一方、一緒に小さくなったナイトくんは小さいままである。ルルア本人は、リトリーと離れてからさほど時間は経っていないと感じており、この森では時間の流れも乱れているとみられる。
続いて一行は、キノコの上で自分を芋虫だと言い張るプラトンを見つける。プラトンは触れられるのを拒んで抵抗するが、リトリーに触れられて元に戻る。目覚めたプラトンは、芋虫こそが自分の本質で、今のほうが夢なのではないかと思い悩む。しかし、自分は自分だというルルアの言葉で落ち着き、捜索に加わる。プラトンの証言をもとに森の奥へ進むと、カエサルが草むらで探し物をしている。主人公たちはカエサルを囲んで捕まえようとするが、カエサルは素早くかわす。そこでルルアがナイトくんを投げつけ、ナイトくんがカエサルを押さえ込んだ隙に、リトリーが触れて元に戻す。カエサルは、分刻みの日程に追われる役から解放されたことを喜ぶ。
第3話
カエサルの探し物は手袋である。カエサルによれば、この森を治める「ハートの女王」は大きな城に住み、ひどく厳しく、機嫌を損ねると恐ろしい目に遭うという。手袋は、チェシャ猫になりきったガラハッドが拾っていた。ガラハッドは、きらきらした何かにぶつかったことですでに正気に戻っていた。それでも、チェシャ猫になったことには意味があると考え、役目を果たすまではアーサーに会わせる顔がないと、「にやにや笑い」を身につけようと悩む。ダ・ヴィンチの絵やプラトンのイデア論を経て、劇を多く観てきたカエサルが演技を指導し、ガラハッドは合格をもらって一行に加わる。
ガラハッドの案内で訪れたお茶会の会場は、軍事演習場のような物々しい場所である。帽子屋のアスタロト、三月ウサギのリチャード1世、眠りネズミのスカアハが一行を追い返そうとするが、取り押さえられ、リトリーに元に戻される。アスタロトたちによれば、ハートの女王が強権的になって何度も兵隊を差し向けてきたため、抵抗勢力のようになっていたという。女王の名前や性格は分かっても、正体が誰なのかはカエサルもガラハッドも覚えていない。情報を交わすうち、アスタロトたちは急なめまいの後にこの場所にいたことが分かる。主人公は、以前めまいとともに異空間のような場所へ呼ばれた経験を思い出し、リトリーはそれをニライカナイと出会った時のことかと言う。
やがてバッカス、甘寧、石川五右衛門、ケツァルコアトル、モリガンら酒好きの仲間が現れ、「何の記念でもない日」を祝って酒宴を始める。新顔の大酒呑み「うわばみ」としてヤトも加わっている。彼らは童話とは関係なく、ただ酔っているだけとみられる。アスタロトとリチャード1世も飲み物に酒を混ぜられて酔い潰れる。宴が落ち着いた頃、別の捜索チームにいたドン・キホーテが駆け込み、一緒にいた仲間がさらわれたと告げる。
第4話
ドン・キホーテによれば、一行は煙幕弾と魔術で襲われて仲間を連れ去られ、自分は「見逃したほうが面白くなりそう」という理由で残されたという。スカアハは、退屈を嫌い面白い人や物を集めさせているハートの女王の手先の仕業だとみる。ドン・キホーテを残したのは、仲間を連れて取り返しに来させるためだろうという。主人公は、罠であっても助けに行くと決める。プラトンとスカアハは、酔い潰れた者たちを守るため残る。
一行は、正義の騎士がいるという噂を頼りに、風車の並ぶ村へ寄り道する。そこでは鉄腕ゲッツが、風車を邪悪な巨人と見なして挑みかかっている。ゲッツはドン・キホーテを名乗り、本物のドン・キホーテと決闘を始めそうになる。ルルアが「オメガ粒子衝撃」を使うと脅すと、かつてルルアに喧嘩を力ずくで止められたゲッツがひるむ。その隙にリトリーが触れ、ゲッツは「ジャスティス」を名乗るいつもの姿に戻って協力を申し出る。
女王の城の手前では、偽ドミトリー、ロキ、マスター・エリノア、ニャルラトホテプ、ニャルラトフィスが待ち構えている。ドン・キホーテは、自分を襲って仲間をさらったのはこの者たちだと断じる。リトリーは、これが彼女らの正気なのだろうと言う。彼女らは森の混沌を楽しみながら巧みに防戦するが、酔いを醒ましたアスタロトとリチャード1世が「陽気なお茶会」として加勢に来る。城の中には女王の間に通じる抜け道を知る仲間がいると聞き、主人公、リトリー、ルルア、カエサル、ガラハッドの5人が防衛線を抜ける。
城内では、鎧で身を固めたトランプ兵が次々に現れる。しかしケット・シーと、お茶会の一員でもあるキャスの案内で、一行は女王のもとへたどり着く。女王の間では、ネロがカティアやジークフリートの話を退屈だと切り捨て、奇妙な刑を言い渡している。主人公がハートの女王の正体をネロだと見抜くと、ネロは自分を楽しませろと言って一行を迎え撃つ。
第5話
ハートの女王としてのネロは強い。しかし、戦いを楽しもうとするその余裕が隙となる。ルルアが投げたナイトくんの背にリトリーが隠れており、ナイトくんが叩き落とされる寸前に飛び移ってネロに触れる。ネロは、女王は自分に似合いの役だったと言い残して眠りに落ちる。そこへクラブの女王のハンムラビ、ダイヤの女王のクレオパトラ、スペードの女王のアーサーが現れる。リトリーはすぐさま三人に触れ、この戦いを手短に終わらせる。
騒動の後、一行は妖精の城で慰労を兼ねたパーティーを開く。この空間には、気づけばほかにも大勢の仲間が集まってきている。カエサルは衣装を気に入り、似たものを仕立てるつもりだと語る。主人公が空間が閉じる前に脱出する話を思い出すと、妖精たちは、閉じるのは早くて数年後、長くても数十年後であり、強く願えばいつでも元の場所へ戻れると説明する。一行は、もう少しパーティーを続けることにする。
リトリーが何かの記念を祝いたいと言うと、主人公は、今回とりわけ頑張ったリトリーをたたえる「リトリーの記念日」を提案する。ルルア、ガラハッド、カエサルらが賛成し、一同はリトリーにこれからの付き合いを願う。リトリーは、皆に認められたことに感激して礼を言う。主人公は不思議な体験を経て、いつも傍にいる仲間の大切さを改めて感じる。
登場人物
- リトリー:触れることで仲間を正気に戻す役を担い、ネロとの戦いではナイトくんの背に隠れて決着をつける。最後に、皆から「リトリーの記念日」を贈られる。
- 主人公:捜索の方針を立てて一行を率い、ハートの女王の正体をネロだと見抜く。パーティーでは「リトリーの記念日」を提案する。
- マスター・ルルア:薬で小さくなっていたところを救われて同行する。小さいままのナイトくんを投げてカエサルを捕らえ、ゲッツをひるませるなど活躍する。
- カエサル:忙しそうに急ぐうさぎになりきって一行を穴の中へ導く。元に戻った後は、ガラハッドに演技を指導する。
- ガラハッド:チェシャ猫になりきり、正気に戻った後も「にやにや笑い」を身につけようと励む。その後、アーサーを探すため同行する。
- クローデット:赤ずきん姿で捜索チームに加わる。カエサルには暗殺者と誤解されて怖がられる。
- レオナルド・ダ・ヴィンチ:「行き先を示すくん」で捜索を支え、一行がより深い異空間に入り込んだのかもしれないと推測する。
- プラトン:芋虫になりきり、元に戻った後は夢と現実について思い悩む。イデア論でガラハッドに助言する。
- ドン・キホーテ:仲間がさらわれたことを知らせに来る。ドン・キホーテを名乗るゲッツと本物の座を争う。
- ネロ:森を治めるハートの女王になりきり、主人公たちと戦う。スカアハによれば、女王は退屈を嫌って面白い人や物を集めさせているという。