ネロのキャラクターストーリーは4話ある。主に主人公とのやり取りを描いており、ダンスの手ほどき、島での材料集め、宴での主人公探しなどが語られる。うち1話(ネロ2)は、この地に来る前に疫病の街で医師と出会った過去を、ネロが主人公に語る話である。疫病の街の話を除く3話では、主人公に影響されて自分が変わっていくことをネロが自覚していく様子が描かれる。
余興のダンス
ネロは、大きなあくびをしていたジークフリートを見かけてからかう。ジークフリートには、ドレスのせいか最近は雰囲気が柔らかいと言い返される。そこへ主人公が声をかけ、衣装を褒めようとする。ネロは、宴で身の程知らずの者たちに言い寄られてきた経験を語り、誘いに応じたことは一度もないと告げる。
続いてネロは、ダンスを踊れないという主人公に、その場で踊り方を教え始める。ネロのねらいは、主人公の花嫁の座を狙う者たちにこの光景を見せることだった。ネロは、嫉妬して詰め寄られたりダンスに誘われたりして、主人公はしばらく忙しくなるだろうと言い残して立ち去る。主人公はすぐに大勢に囲まれる。
その様子を見ていたブリュンヒルデは、ネロが珍しく楽しそうだったと指摘する。ネロは、今日の自分は少々あざとかったかもしれないと認める。そして、主人公といると調子が狂うが、それも悪くないと思えてしまうと独り言を漏らす。
疫病の街の記録
ネロは主人公に、この地に来る前の出来事を語る。ネロは疫病(ペスト)で封鎖された街の近くの森で召喚された。召喚した者は名も姿も明かさず、自由に生きろと言って去ったという。街では、絶望して神罰だと嘆く若い女と、伝染病と闘う決意をする医師が言い争っていた。医師は、ネロに街を去るよう忠告する。
ネロは、元の世で侍医が作った薬テリアカなら症状を和らげられたはずだが、作り方は知らないと話す。代わりに示した解決法は、患者もろとも街を燃やすことだった。ネロは、かつてローマで疫病を根絶するために火を放ち、そのせいで悪評を立てられたと語る。そして、倫理を捨てて不条理に抗う姿を見せてみろと医師に迫る。
ネロによれば、医師は街を焼かずに知恵で闘う道を選んだが、その努力は報われなかった。疫病は季節が変わると突然収まり、医師の連れは病で亡くなった。後に医師リウーは、闘いの記録を手にネロを訪ねてくる。そして、努力は無意味でも無価値ではないこと、不条理に対抗する唯一の手段は自らの役目に責任を持つ誠実さだということを語る。
ネロはこの記録を主人公に渡す。ネロは、元の世でどうにもならないことに抗い続け、すべて無意味に終わった。だからこそ、足掻き続ける人間を好ましく思うのだと明かす。主人公なら違う結末を用意できるかもしれないとも語る。主人公が、自分のやるべきことを誠実にやるだけだと応えると、ネロはその例外であってほしいと期待を口にする。
秘伝の美容クリーム
ネロは主人公を連れて、ある島の洞窟で道をふさいでいた獣を倒す。洞窟では、日の差さない場所に咲く花を摘む。続いて、中身がミルクのように濃い、縞模様の木の実を探す。途中で主人公が波に磨かれたガラスの欠片を拾うと、ネロは、価値のないものに価値を見出す感性は尊重すると言う。
材料がそろったところで、ネロはその目的を明かす。かつて主人公に肌を褒められたことがきっかけだった。ネロは、この土地に伝わる秘伝の美容クリームを手に入れようとしたが、獣のせいで材料が不足し、どこでも品切れになっていた。そこで獣の退治と材料集めを引き受け、自分のために作ってもらう約束を取り付けたのだった。
ネロは、言われるまま働いた主人公の姿を面白がり、褒美としてクリームを自分の肌に塗らせてやると告げる。主人公は戸惑う。ネロは、以前なら軽蔑していたはずのこうしたやり取りを悪くないと感じる自分に気づく。その理由が主人公にあることは、今はまだ気まぐれということにしておこうと胸の内でつぶやく。
宴での主人公探し
主人公を労う祝いの宴で、贅を尽くした宴に慣れたネロは退屈している。リトリーから主人公とはぐれたと聞いたネロは、主人公が女性のもとを渡り歩いていると皮肉を言う。リトリーにやきもちのようだと指摘されて言葉に詰まるが、やがて大笑いしてそれを認める。リトリーは主人公を探しに飛び去る。ネロは、以前なら戯言として無視していた言葉を面白いと感じ、その変化を心地よく受け入れている自分に気づく。
ネロは主人公を探して会場を歩くうちに、ジャンヌ・ダルクとミカエルに会う。ジャンヌ・ダルクは、多くの仲間の中心に主人公がいることを喜び、少しでも多くの仲間と過ごしてほしいと語る。ネロは、自ら足を運んで主人公を探し、他の者との会話を楽しんでいることに、以前の自分とは違うと思う。
やがてリトリーが主人公を連れて来て、すぐにその場を離れる。ネロは、誘いを断れないなら断りやすくしてやると言い、主人公の腕を取って自分の方へ引き寄せる。そして、自分がいる限りこれからもそばにいるよう言い渡す。