あらすじ
クレオパトラはツタンカーメンとアヌビスを呼び集めて二人に歌わせ、三人でアイドルとしてデビューする計画を打ち明ける。表向きの理由はヌビナの魅力を外に広めることだが、本当の動機は、主人公がヤマトタケルたちのアイドルユニットに夢中になっていることへの対抗心である。三人は2か月後に各国のアイドルが集まるアイドルグランプリに出て優勝することを目標に決める。ところがデビューライブに来た観客は主人公一人だけで、その最中にアビスの群れが現れる。
ストーリー
第1話
クレオパトラはツタンカーメンとアヌビスを呼び、その場で一人ずつ歌わせる。アヌビスの元気な歌声とツタンカーメンの穏やかな歌声を聞いて手応えを得たクレオパトラは、三人でアイドルデビューすると言い出す。理由として、砂ばかりの国であるヌビナの魅力をアイドル活動で伝え、訪れる人を増やしたいと説明する。
自信のないツタンカーメンが、アイドルでなくてもよいのではと渋ると、アヌビスはクレオパトラが何か隠していると嗅ぎつける。クレオパトラが白状したところでは、バロアで行われたオーディションにヤマトタケルが選ばれ、サリエル・アルテミスとユニットを組んで人気を得ており、主人公は自分たちをよそにそのライブに通っているという。クレオパトラはアイドルになって主人公を振り向かせたいと考え、こちらもユニットを組んで対抗しようとしていた。
アヌビスは国のためにもなると賛成し、ツタンカーメンも足を引っ張るかもしれないと言いつつ加わる。クレオパトラは、2か月後に開かれるアイドルグランプリで優勝することを目標に掲げる。
第2話
ユニットの最初の活動はデビューライブである。良い会場を借りられなかったため、会場は街の外にあり、観客は招待された主人公一人だけだった。クレオパトラは主人公をファンクラブの名誉会員だと言い、主人公だけのための特別ライブとして始める。
ライブの途中でアビスの群れが近づき、三人と主人公は戦いになる。しかしアビスは攻撃してこず、ひときわ強そうな個体が、自分たちはアイドル好きのアビスが集まった愛好会で、ライブを見に来ただけだと告げる。このアビスは三人の歌も踊りもレベルが低いと酷評する一方で、光るものがあり、努力を重ねれば人気アイドルになれると言い残して去る。
腹を立てるクレオパトラに対し、主人公はアビスの指摘は正しいと話す。アヌビスとツタンカーメンは歌詞や振り付けを間違えたことを振り返り、クレオパトラも完璧ではなかったと認める。しかし主人公が素質を認めたことで三人は立ち直り、あのアビスを見返すと決意する。主人公も、タケルたちのライブを見てきた経験を生かして手助けすることを約束する。
第3話
主人公は、アイドルには歌とダンスのほか、魅力を伝えるビジュアルの技術も必要だと説明する。三人はまず歌とダンスを磨くことにし、主人公の指摘から、デビューライブでの失敗の原因が体力不足にあると気づく。ツタンカーメンは、歌いながら踊る練習を繰り返すとダンスに悪い癖がつくと反対し、ライブに近い条件で体力をつける方法を探るなか、アヌビスが戦いながら歌うことを思いつく。
主人公は怪我を心配するが、三人の本気を知って応援を決める。三人はヌビナの兵士の訓練に加わり、戦いながら歌う。兵士たちの声援を受けて練習を終えると、主人公は、アヌビスは呼吸の仕方がうまいので声がよく通り、ツタンカーメンは歌そのものが最も上手いと評する。これを受けてクレオパトラは、呼吸とダンスはアヌビス、歌はツタンカーメン、ビジュアルは自分がそれぞれ手本を務めるリーダー制を取り入れる。
三人は互いに教え合いながら練習を続ける。ツタンカーメンは一人で自主練習をしており、様子を見に来た主人公に、みんなで頑張っている今が楽しく、もっと上手くなって一緒に歌いたいと語る。
第4話
次のライブが決まり、リトリーとミカエルがフォートレスから衣装を届ける。衣装はクレオパトラが案を出し、主人公にも見せてからフォートレスに製作を頼んだもので、細かい注文と短い期限に職人たちが苦労したという。さらにアナスタシアが、魔導技術で音を広く伝えるライブ用の機材をシシキアから送る手はずを整える。クレオパトラは、あと必要なのは知名度だとして、三人でビラを配り、続けてゲリラライブを行おうとする。
そこへ主人公が、機材を運ぶ運び屋が襲われたと知らせに来る。三人が駆けつけると、機材だけが狙ったように盗まれていた。西へ逃げた二人の男を追いつめて戦いで退けると、男たちは、最近デビューしたものの人気の出ない別のアイドルのファンだと明かす。話題になり始めた三人がこのまま活躍すれば自分たちの推しが活動しにくくなると考え、邪魔をしようとしたのだった。
ツタンカーメンは、こうした行いは推しの評判を落とし迷惑にしかならないと男たちを強く叱る。男たちは非を認めて二度としないと誓い、ツタンカーメンはそれを条件に二人を許す。クレオパトラは、男たちを叱るツタンカーメンにアイドルとしての自覚が表れていたと喜び、三人は再びビラ配りとゲリラライブに戻る。
第5話
クレオパトラは、前回のデビューライブはアビスの乱入で中断し、ゲリラライブは告知なしだったので数に入らないとして、この日のライブこそ本当のデビューライブだと宣言する。大きな会場には数百人の観客が集まり、緊張するツタンカーメンを仲間と主人公が励ます。入場整理を手伝っていた主人公は、最初のファンとして舞台のすぐ近くで見るよう三人に勧められる。
ライブが始まると、三人は後半に進むほど動きに切れが増し、観客からはアイドルグランプリで優勝も狙えるという声が上がる。会場は大きな歓声に包まれ、ツタンカーメンは応援してくれる観客を前に、アイドルとはどういうものかを実感する。
主人公がライブの成功を喜んでいると、客席にヤマトタケル、サリエル、アルテミスの姿を見つける。三人がグランプリに出場するのかと尋ねるサリエルに、アルテミスは参加するらしいと答え、彼女たちを見ていると自分の初ライブを思い出すと語る。タケルはうかうかしていられないと言って、帰ったらすぐレッスンをしようと仲間に告げる。
登場人物
- クレオパトラ:アイドルユニットを言い出した中心人物。主人公の関心を引くことを本当の動機としつつ、ビジュアル担当のリーダーとして二人を率いる。
- ツタンカーメン:自信のなさから最初はためらうが、歌のリーダーを任される。機材を盗んだファンたちを叱り、アイドルとしての自覚を見せる。
- アヌビス:クレオパトラの隠し事を嗅ぎつける一方、計画には真っ先に賛成する。戦いながら歌う練習を考え、呼吸とダンスのリーダーを務める。
- 主人公:ユニットのファンクラブ名誉会員とされる最初のファン。ライブの課題を指摘し、練習を助言しながら見守る。
- ヤマトタケル:クレオパトラによれば、バロアのオーディションで選ばれ、人気を得ているアイドル。終盤、三人のライブを見て刺激を受ける。
- アルテミス:タケルのユニットの一員。三人のライブを見て自分の初ライブを思い出す。
- サリエル:タケルのユニットの一員。三人のグランプリ出場に関心を示す。
- ミカエル:リトリーとともにフォートレスから衣装を届け、試着を確認する。
- リトリー:ミカエルとともにアイドル衣装を運んでくる。
- アナスタシア:シシキアからライブ用の音響機材を手配する。