あらすじ
スサノオが神気解放によって力を得たことを祝うため、ヤマトタケルと沖田総司が宴を企画する。宴はアマテラスとイザナミの発案によるものである。騒がしいことを嫌うツクヨミは、参加しないと言って立ち去る。スサノオは宴の食材集めを自分から引き受けるが、宴の規模が大きくなるほど、姉たちに及ばない自分がこれほど祝われてよいのかと迷い始める。そうしたなか、祝いの品として大きな桃の実を三つ採ってくるよう頼まれ、スサノオはツクヨミと二人で桃を探しに出る。
ストーリー
第1話
アマテラスは、指輪の力で強くなったスサノオを、姉妹でお揃いになったと喜ぶ。ツクヨミは、重要な話があるとヤマトタケルにしつこく誘われてこの場に来ていた。遅れてやって来たヤマトタケルと沖田総司は、スサノオの神気解放を祝う宴を開くと告げる。言い出したのはアマテラスとイザナミで、今回は総司も最初から幹事を務める。
ツクヨミは騒がしいのは嫌いだと言い、自分は宴に出ないので好きにすればよいと告げて去る。ただしその直前、ツクヨミはスサノオの様子に気づいたように何か言いかけている。アマテラスとイザナミは、素直になれないツクヨミもきっと来てくれると語る。スサノオは主役でありながら獲物を獲ってくると言い張り、ヤマトタケルに食材集めを任される。
第2話
スサノオは森でキノコや山菜、果物を集め、獲物も仕留める。しかし宴が大きくなると知るほど気が引ける。力ではアマテラスに、知恵ではツクヨミに遠く及ばないと思っているからである。スサノオは、ツクヨミが以前ひとりで悩んでいたのも同じ気持ちだったのではないかと考えるが、自分の未熟さゆえの悩みだと思い直す。
食材を持ち帰ろうとしたところで、スサノオはアビスの群れに囲まれる。森の木々を利用して包囲を避けながら、新しい力を試すように敵を斬り伏せていき、剣を振るうことに楽しさを感じる。それでも敵はきりがなく湧いてくる。そこへツクヨミが現れて加勢し、たまたま通りかかっただけだと言う。続いて、ヤマトタケルに狩りの手伝いを頼まれた総司も駆けつける。
第3話
戦いが終わると、総司はヤマトタケルからの頼みを伝える。祝いの品として「大きな桃の実」を三つ手に入れてほしいというものである。ツクヨミは、桃が神や鬼退治、厄払いと縁の深い食べ物だと説明する。その例として、節分の豆まきはもともと鬼に桃をぶつけた話に由来し、桃が手に入らない時期に大豆で代用したのだと語る。そのうえで、三つの桃は自分たち三姉妹を表しているのだろうと推し量る。
総司はさらに、ヤマトタケルから預かった伝言として、ツクヨミも一緒にいるはずだから二人で採ってきてほしいと口頭で伝える。ツクヨミは、行動を見透かされたことに文句を言いながらも引き受ける。獲物は総司が会場まで運ぶことになり、二人はヤマトタケルから聞いた候補地のメモを受け取って出発する。ところが、どの場所にも桃の気配すらない。ツクヨミはヤマトタケルに適当なことを教えられたのではないかと疑うが、スサノオは最後まで回ろうと言って譲らない。
第4話
桃の木すら見つからないまま、残る候補地は一つになる。ツクヨミになぜそんなに乗り気なのかと聞かれ、スサノオは理由を打ち明ける。自分の手で姉たちとお揃いのものを手に入れたいこと、そしていつか姉たちに追いつけると信じて修業を続けたいことである。ツクヨミは、宴の話が出たときにスサノオが黙り込んでいた理由にようやく思い当たる。今回はスサノオの祝いなのだから好きなようにすればよいと言い、最後まで付き合う。
森の中心部で、二人は満開の花をつけた桃の大樹を一本見つける。しかし実は一つも生っていない。そもそも、この時期に花が咲いていること自体が不自然であった。スサノオが幹に触れると木は強く光って消え、花のついた枝が一本だけ残る。光に誘われたかのように敵が現れ、スサノオは姉と苦労して手に入れた枝を守るために戦う。
第5話
敵を倒したあと、ツクヨミは枝がかすかに神気を帯びていることに気づき、御神木だったのではないかと考える。スサノオは、さきほど見た大樹は、この枝がかつて大樹の一部だった頃の姿だったのだろうと推し量る。ツクヨミは、誰もいない場所で咲いても人知れず朽ちていくのは寂しいと言う。これに対しスサノオは、この木はただそうありたくて花を咲かせたのであり、満足していたように見えると語る。
戻った二人の報告を聞いたヤマトタケルは、駄洒落を口にしてツクヨミに睨まれる。ヤマトタケルは、本当に桃の実があると聞いていたのだと釈明し、枝はスサノオが持っていればよいと言う。スサノオが、自分の悩みに気づいて姉と行動させたのかと尋ねると、ヤマトタケルはこう答える。少し様子が違うとは思ったが、ツクヨミが気にかけるだろうと考えていた、と。さらに、自分を完璧だと思えば成長はそこで止まるのだから、信じたようにやればよいと励ます。
スサノオは、宴の会場の別室で桃の花の枝を花瓶に活ける。アマテラスは、礼ならツクヨミに言うべきだと告げ、ツクヨミはたまたま巻き込まれただけだと返す。三姉妹は桃の花を眺めながら杯を交わす。スサノオは、狩りの途中で見つけて姉たちと食べるために取っておいた三つの木イチゴを差し出す。三人は同じものを分け合い、スサノオは姉たちと一緒にいることが一番好きだと語る。